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おさかな食べようMail magazine 第15号(平成25年4月16日)
配信日時:2019/09/11 14:24
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おさかな食べようMail magazine 第15号(平成25年4月16日)
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1. くろべ漁協から春の便りです。

 

4月4日付で頂いた魚の駅「生地」を展開する富山県黒部市くろべ漁協http://www.jf-kurobe.jp/)

から春の便りです。『おかげさまで当地区の積雪は例年よりは少なかったものの、今年のような不安定で荒れた冬の天候は、出漁機会が例年よりは少なく、漁業者も販売する側のスタッフも困っていました。例年になく荒れた天候は、出漁と、客足を悪くしまして、市場も店も売り上げがイマイチでした。今は富山県では、ホタルイカが大漁に獲れています。地元の人はもうあまり食べなくなり、もっぱら県外への送付が主となっています。又、白海老が4月1日から解禁となり、浜を賑わしており、当魚の駅にも毎日入荷しています。(残念ながら白海老は富山県でも富山市中心に漁場が限られています…。)
 一方、県下の紅ズワイガニ漁は5月までですが、冬のイメージが強い上、全国的に凪が続くようになり、出漁回数が多くなると、供給過多で大暴落するため漁業者は、出漁を見合わせたりします。今は12月の半値以下で取引され、当魚の駅でも、激安販売しています。新年度を迎え、当組合が定期開催しています料理教室の年間スケジュールが確定しましたので添付させていただきました。(くろべ漁協の料理教室日程についてはこちらを参照ください。http://www.suisankai.or.jp/topics/mailarchives/2013/04/0416_01.pdf)くろべ漁協の料理教室は、定期開催のほか、6名以上の申し込みがあれば随時開催しているとのことです。

 また、生地地区は伏流水があちこちに湧き出ており、浜の風と地下の伏流水が地表を暖めており、降ってもなかなか積もらないとのことです。

 ありがとうございました。また、お便り下さい。

 

 

2.大分県立津久見高等学校海洋科学校海洋科3年からのメッセージです。

 

  本会機関誌5月号記事として、「海洋科学生からみる日本の水産業、魚食」と題して投稿してください、とお願いしたところ、海洋科3年の平嶋将和君から原稿が届きました。

当校が所在する臼杵市は、豊後水道に面し、山と海に囲まれた風光明美な町並みが残され、今なお武家屋敷、町屋、寺院などが立ち並び、江戸から昭和初期の趣を色濃く残しているとのこと。農林水産業をはじめ、造船業、醸造業が中心産業となり、県南の中心都市としての役割を担っているとのこと。そのような素晴らしい環境の中、各学年1クラス、全校生徒数113名が在籍、2年次から実習船遠洋航海実習を行い、船舶職員育成を目標とする船舶技術コースと水産物の生産から販売までを行う6次産業化に対応できる人材育成を目標とする生産技術コースに分かれて学習するとのことです。
まさに、第一次産業を担う専門知識を育成する若者の学校です。地場産業として全国第3位のブリ養殖業があり、卒業生の大きな就職先目標とのこと。一方で、漁業は高齢化が進み、若者の採用があるように言われている中、わずかな採用情報がある程度で、残念とのことです。地産地消、魚食普及などをテーマに高校生が水産業の活性化広報を行い、地域振興につなげるマリンスクール活動に取り組んでいるとのことです。平嶋将和君の投稿は、http://www.suisankai.or.jp/topics/mailarchives/2013/04/0416_02.pdfからどうぞ。

 

 

3.3月23日付け日経新聞夕刊「養殖魚果物育ち」と言う記事を読みました。

 

 カボスぶり、みかんだいなどかんきつ類やハーブなどを食べて育つ養殖魚が続々登場しているという記事でした。大分県臼杵市ではカボスを利用、カボスが持つ抗酸化作用でぶりの体色維持時間が長くなり、従来の養殖ぶりに比較してサラリとした脂乗りになっている、愛媛県宇和島市では処理に困ったみかんジュース搾りかすを餌として活用するなどの例です。この記事を読んで思い出したのが、1979年NYに在勤していた時の記憶です。エビの買付のためにメキシコ湾に面するミシシッピ州に行ったことがあります。そこでナマズの養殖もやっているよ、と言う話を聞いて養殖場を訪問したことがあります。
内水面養殖場ですが、そこで驚いたのは、「ここでは一切の魚粉、魚類起源の飼料は使用せず、小麦、とうもろこしなど穀物を飼料にしている、牛と同じだよ」と言われたことです。養殖魚だから「魚粉」を飼料にするという私の頭の中の定説は大きく破壊されました。米国人が嫌いな魚臭が発生せず、ナマズの肉質をビーフと類似の食感にする起源なのかも知れません。米国のナマズ養殖生産量は、短期間のうちに増大して行き、当時数万トンと言われていたものが、現在は100万トンを越えると聞いています。かなり前になりますが、東京ビッグサイトのシーフードショーで、輸入商社が米国産養殖ナマズを出展展示し、刺身用、ステーキ用として紹介していた記憶があります。

養殖飼料とされている魚粉や魚油の供給には、すでに量的限界が指摘されており、代替飼料開発が盛んに行われているようです。代替飼料として穀物が利用できれば、日本国内の休耕田活用策も出て来るのかも知れません。 皆さんはいかが考えられますか。当日の日経記事はこちらから、http://www.suisankai.or.jp/topics/mailarchives/2013/04/0416_03.pdf。

 

 

4.風間浦あんこうをご存知ですか。

 

 ネットワークメンバー中島水産株式会社商品開発部田中部長より、神奈川県相模原市のデパート内店舗店頭における調理・試食会のお話を伺いました。(当日の試食者アンケート結果は、http://www.suisankai.or.jp/topics/mailarchives/2013/04/0416_04.pdfからどうぞ) あんこうと言う魚名や一般的な魚姿については、イメージを持っていましたが、例えば風間浦あんこう、とかの特定名称を持つあんこうについては、つゆ知らずでした。ネットワークで検索したところ、津軽海峡に面する風間浦村商工会のホームページhttp://www.shimohuro.com/ が紹介する下風呂温泉郷に出会いました。
風間浦村に縁が深い人として、昭和の文豪・井上 靖、同志社大学創始者・新島 襄、江戸時代の紀行家・菅江真澄が紹介されていました。井上靖は小説「海峡」の中で、「漁り火の見える温泉」として下風呂温泉を紹介、有名にしてくれたとのこと。津軽海峡に面し、隣は海峡クロマグロ漁で有名な大間町、そして風間浦あんこう、海に囲まれた日本の魚食文化の象徴的なシーンだと感激しました。早く行ってみたいです。

 

 

5.若者の消費動向に関する新聞記事紹介。

 

近代消費動向は大きく変化しているとの認識を持つところではあります。たまたま読んだ読売新聞記事を紹介します。批評誌PLANETS編集長、評論家宇野常寛(うの つねひろ)氏は、「戦後的サラリーマン像ひきずるな」「都市部の共働き意識せよ」「ネットやサブカルチャーに商機」「情報収集はテレビ・新聞よりもインターネット中心になっている。そうなると従来の戦後的ホワイトカラーとはまるで違うライフスタイルを取ることになる。」と変化について述べています。また、ニッセイ基礎研究所 生活研究部門消費者行動、心理統計、保険・金融マーケティング専門 久我尚子(くが なおこ)さんは、「価値観変わり消費が変わった」
「資産持つシニア層にも注目」として、「非正規雇用者が増大、不況の影響で、若者は手元資金がなく消費をしなくなったと言うが、実際は違う。総務省消費実態調査では、30歳未満の勤労単身世帯の1ヶ月可処分所得は男女ともに21万円余り、女性は2万円以上増加、お金がないのではなく、若者の価値観の変化が消費に大きく影響しているという。」 さあ、我々水産業界にとって、この分析はどのように読めば良いのでしょうか。皆さんのご体験、意見をお寄せください。関連記事はこちらからどうぞ。http://www.suisankai.or.jp/topics/mailarchives/2013/04/0416_05.pdf


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