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2023 オンライン交流会(海ごみセミナー)

2023 オンライン交流会(海ごみセミナー) とは

海ごみ問題ってなんだろう? 私たちは何ができるんだろう?
課題をシェアし、具体的なアクションへ

日本の海ごみ問題の第一人者である一般社団法人JEAN 理事の小島あずささんと
日本初の給水マップアプリを構築し、海洋プラスチックごみ問題に取り組む一般社団法人Social Innovation Japan 代表理事/mymizu 共同創設者のルイスロビン敬さんにお話をお聞きします。

今、海ごみに関する情報はネットにあふれています。
しかし、そうした情報の中で、海ごみの現場にしっかりと根差したものは決して多くはありません。

ズレた情報の上にズレた対策がされてしまう。

これだけ海ごみが社会問題化している一方で、実際の海岸ではごみがほとんど減っていないのは、そうしたズレにあるのかもしれません。

このオンライン交流会(海ごみセミナー)では、今一度、海ごみの問題と対策の課題をみんなでシェアし、具体的なアクションへとつなげていきます。

普段ボランティア活動を行っている方、
海の環境に関心がある方、
ゴミ拾いをやってみたい方

海岸・河川等において環境美化活動に取り組んでいるボランティア団体や企業、関係行政機関等だけでなく、海が好きな方ならだれでも参加できます!

環境問題に取り組む者にとって、お二人の話は、示唆に富み、大きなヒントを得られること間違いなしです。

講演1(一般社団法人JEAN 理事の小島あずさ氏)の質疑応答 (当日未回答分)

1)全国の海岸のクリーンアップをされているそうですが、神奈川県の海岸は他の地域と違うところはありますか?
神奈川県は多くの人が住み、海岸には県外からも一年を通じてたくさんの人が訪れます。また、複数の川が海に注いでいますので、ごみの発生量はそれなりに多いと思われますが、拾う人もとても多い地域です。
台風などの荒天後は一時的に大量のごみ漂着がみられることがありますが、日頃はごみが出ても、あまり時間をおかずに拾われているため、ごみが少なく見えます。拾いきれずに劣化して破片になったごみはありますが、目立ちません。
他地域の海岸では、海流、季節風、海岸の向きによっては、繰り返しごみが漂着する所がありますが、高齢化や過疎化によって拾う人が少なかったり、ごみがあまりにも大量で拾いきれないという場所もあります。

2)神奈川県以外の自治体は海岸清掃をしないのでしょうか?
ごみの量や、海洋ごみ問題への取り組み度合いの違いはありますが、他県でももちろん海岸清掃は行われています。年に一回程度の清掃のところもあれば、ボランティアによる活動が活発で、複数の団体が頻繁に拾っているところもあります。

3)本日の資料を後で共有頂くことは可能でしょうか。また画面キャプチャして情報発信に活用してもよいものでしょうか。
講演のための資料であり、写真の版権もありますので、共有もキャプチャしてのご利用もお断りしています。

4)このごみ写真はいつぐらいの何年度くらいのものですか?
最も古いのは知床の写真で2006年に撮影 (2016年にも同じ場所に行きましたがごみの状況は変わらず。拾って一旦きれいになってもまた新たにごみが漂着するため)他は2019~2021年

5)水産品へ混入した海洋ゴミ(マイクロプラスチック等)を食事という形で摂取した人間の健康問題はあるのか
人も、飲食や呼吸によってマイクロプラスチックを取り込んでいると言われていますが、現時点で健康被害が確認されているわけではありません。健康被害が確認されるような状況になってしまったら、取返しがつきませんので、一刻も早く対策を講じることが必要です。

6)海洋ごみが温暖化以外でサンゴ等の生態系に影響を与えているデータなどはあるのですか?
「マイクロプラスチックのサンゴへの影響」などで検索すれば、複数の研究結果が出てきます。ご関心があるなら、いろいろ調べてみてはいかがでしょうか。
https://web.tku.ac.jp/news/021099.htmlほか
(マイクロプラスチック」が、サンゴの成長に悪影響を与える可能性があるという研究結果を、東京経済大などの研究チームがまとめた。マイクロプラスチックがサンゴの体内に入ることで、成長に欠かせない藻類を取り込みづらくなるという。)

7)各地の海岸の様子(写真)で、ゴミと一緒に流木なども漂着していたかと思いますが、そういった流木なども海洋ゴミとしてみなされるのでしょうか?
JEANが日本のナショナルコーディネータ―として実施している国際海岸クリーンアップ(=ICC)のデータカードを使ったごみ調査では、人工物のみをごみとしています。草木や海藻などの自然物は、生き物の餌や棲み処になる場合もありますので、回収は勧めていません。
しかし、腐敗して悪臭を発するとか、景観上放置するのは好ましくないとか、放置して再漂流すると船舶の安全航行に支障がでるなどの理由で、地域ごとの判断で回収する場合もあります。
ごみの搬出や運搬処理には費用(主に市町村が税金で負担)がかかるため、漂着ごみの量がとても多い場合に、優先的に人工物を回収・処理するために流木などの自然物は回収しない事例もあります。

8)流れ着いた海岸で回収するのは、もちろん、海岸美化に必要ですが、ここで回収されるものは結果であって、漂着するまでに出発点で食い止める活動は何かありますか?
漂着ごみになるものは、いろいろな場所で使われる多種多様な物品ですので、一つの方策ですべてのごみ発生がとめられるわけではありません。
川の河口部などでオイルフェンスやネットを使って上流から流れてきたものを回収する、港湾内に海面清掃船を稼働させて漂流しているものを回収する、などの取り組みが行われていますが、流下ごみや浮遊ごみのすべてを回収できるわけではありません。
また浮かぶごみは海面付近のみを漂っているのではなく、水の中全体に存在しています。

9)ごみ拾いで大変だったことや苦労したことを教えてください
ごみが繰り返し漂着する離島地域での活動では、ごみ量が多すぎて一度のクリーンアップでは拾いきれないこともよくあります。
ごみを拾う前と、数時間クリーンアップをして、ごみ袋を使い果たして活動を追えたときとで、海岸の光景がほとんど変わっていないこともありました。
また、集めたごみの収集と処理は、拾う場所の市町村に事前に依頼しますが、収集処理の予算は限られているため、時期によっては対応が難しい場合もあります。

10)JEAN、小島理事の説明の中に出た、海洋ゴミの約7割がプラスティックという表現がされていますが、美化財団でも7割が川からという広報ですが、美化財団では内訳46%が自然ゴミで人工ゴミは20%という数字ですがこの違いを説明していただけますか?
美化財団のデータは、神奈川県の海岸ごみについてのデータになりますので、そもそものデータがJEANとは異なります。
美化財団の最新の調査では、自然系のごみを含めた海岸ごみ全体のうち、人工ごみは33%、その人工ごみの約60%はプラスチックごみという結果が出ています。
(美化財団回答)

11)アザラシなどの野生どうぶつに絡まる網は、漁網が多いと思うのですが、全国の漁業組合や漁業に関わる人たちと海ゴミについて何か連携されているのでしょうか?
漁協の全国組織との連携はありませんが、離島でのクリーンアップに漁協の協力で船を出してもらい、陸路からは行かれない海岸でのごみ回収をしたり、海中ごみの調査に協力してもらうなどの連携例はあります。
漁協ごとにそれぞれ海岸清掃や海中ごみの回収を行なっています。

12)毎月材木座海岸でBCをしていると人工芝の破片を多く拾います。以前カモメパークというサッカー場で雨上がりの後、おびただしい量の人工芝の破片が側溝の脇に溜まっているのを目にしました。特に回収や管理されている形跡もない様子でしたが、何か働きかけのような活動はされているのでしょうか?政策提言をされていると言うことでしたのでお聞きしました
人工芝片の環境中への流出や海岸での発見については、プラスチックの業界団体に折に触れて知らせていますが、メーカーへの個別の働きかけは行っていません。
人工芝以外の小さなプラスチックごみ(レジンペレットと徐放性肥料の殻)については国際海岸クリーンアップのごみ調査で全国各地で漂着が確認され、全国規模で多数報道されました。その後業界団体との意見交換や改善提案を行ない、レジンペレットについては業界内での注意喚起やアンケート、啓発チラシの配布が行なわれました。肥料の殻では、業界団体も問題意識をもっており、メーカー毎に分解性のある材料に転換予定であると説明がありましたが、まだ転換されていません。近年になって、あらためて各地で見つかっていることが報じられ、JAが注意喚起のチラシを作成しました。

13)家庭用のゴミ袋が有料化され、海岸沿いのゴミ箱も撤去されると、拾うのをためらわれる人もいると思います。拾ったゴミは専用の袋に入れれば通常のごみ集積場所でも無償で回収してもらえる、などの取り組みはないのでしょうか?
海岸に特化した例ではありませんが、市町村によってはボランティア用のごみ袋を無償提供しています。私が住んでいる市でも、家庭ごみは有料の指定袋を購入して出しますが道路沿いや公園などの市街地で拾ったごみは無償のボランティア袋で不燃/可燃 に分別して決まった曜日に出せば回収してもらえます。
海岸清掃で拾ったごみの事例では、鹿児島の与論島の「拾い箱」があります。海岸沿いに手作りの「拾い箱」がおかれていて、海岸で拾ったごみはそこに入れれば役場が回収してくれるようになっています。拾い箱を小学生が作ったところもあります。
米国のオレゴンでは、海岸に出る道の脇に、大きな回収箱(トラックの荷台くらいのサイズ)が設置されていて、海岸で拾ったごみをいつでもいれることができます。ごみ袋が必要なら、市民団体の窓口や海岸の管理事務所、公園の事務所などいろいろなところでもらうとができます。日本でよく心配される「家庭ごみの投棄」について尋ねたところ、オレゴンではそういった懸念はほとんどないとのことでした。

14)外出制限があったコロナ禍では、海洋ゴミは減少したのでしょうか。また、レジ袋有料化などで減少したのでしょうか。
コロナ禍前と、渦中とを比較できる海洋ごみ量についての調査があるのかどうか存じません。
JEANが連携している海外の団体からの情報や報道では、コロナ禍特有の衛生用品( 使い捨てのプラスチック製手袋、マスクなど)が 世界各地の海岸でも多数確認されているとのことですが、コロナ禍前にこれらの物品について調査していないので、数値での比較ができません。
レジ袋は、私個人が毎日行っている住まい近隣の歩道沿いのクリーンアップでは、レジ袋の散乱は激減しました。以前は毎朝4~5枚拾っていましたが、現在は数日で1~2枚です。
また、コロナ禍前とくらべて歩きながらの飲食や喫煙が減ったせいか、路上に捨てられているそれらのごみも減少傾向です。最近では元に戻りつつありますが。

15)海洋プラスチックごみを使った製品をリサイクルして販売するなどのメーカーの取り組みが目立ちますが、メーカーによる排出抑制の取り組みはないのでしょうか?
海洋プラチックごみを使った製品を販売しているメーカーが、自社で発生抑制の取り組みをしているか?という質問としてお答えします。
あるパーソナルケア用品のメーカーでは、製品の容器の材料に、再生プラスチックに海のごみをリサイクルしたプラスチックを加えて使用しています。また、空き容器を店頭で回収し、また再生プラスチックとして使い、循環させています。製品によっては包装容器なしで販売されているものもあり、プラスチックの使用量や使い捨ての削減を実行しています。

16)意図しない散乱ごみを減らす・無くす方法はあるのでしょうか?
ごみを出した人が、「捨てることを意図していない」ので、対策は難しいと思います。
例えば、帰宅後に自宅のごみ箱に捨てるつもりでポケットにいれていた飴の包装を、いつの間にか落としてしまうとか、人工芝の上を歩いたときに破片がちぎれてしまうなどは、100%防ぐことは困難です。だからこそ、ごみを散乱させるつもりがなくても、気づかないうちに自分も散乱ごみを作っているかもしれないことを自覚することと、プラスチックの使用量全体を減らすことで、意図せずごみになるものを相対的に減らしていくことが大事だと思います。

17)輸出できなくなった日本の廃プラスチックごみはどこに保管されているのでしょうか?
中国へ輸出できなくなったあとは、ベトナムやタイ、マレーシアなどの東南アジア諸国への輸出が増えましたが、それらの国でも輸入の規制が進んでおり、いずれは他国へ輸出するのではなく国内での処理や廃プラスチックを生まない循環型経済の仕組みを進めていくことが必要となります。一部は国内の産業廃棄物の処理場などに搬入されましたが、保管場所は限られています。
詳しく数値などを知りたい場合は JETROのサイトなどをご参照ください。

18)会社で環境管理を担当しており、社外主催のビーチ清掃のボランティア活動に参加を呼び掛けています。私自身、何回か参加していて、プラごみが簡単に拾える場所とマイクロプラスチックでさえ簡単に見つけられない場所(または時)があることに気づきました。はじめて参加する方にはその後のモチベーションをあげてもらうため、簡単にプラごみを拾える場所や時(安全第一)を紹介したいのですが、ご意見いただけないでしょうか。
おなじ海岸でも、昨日と今日とで漂着状況が違うこともありますね。下見は必須ですが、当日に状況が変わっている場合もあるでしょう。
海岸ごみの量は、直近の天候によって大きく上下します。特に影響を与えるのが雨です。多くが雨水によって陸域から海へと流出したものです。そのため、大雨の翌日は海岸に多くのごみが漂着します。ビーチクリーンが雨のタイミングに合えば、たくさんごみが拾えますが、ずれれば(概ねズレることのほうが多いですが)あまりごみは拾えないと思います。
また、神奈川県では、美化財団が年間通して清掃しているだけでなく、年間16万人のボランティアが日々ビーチクリーンに取り組んでいるので、「アクセスが良く」「プラごみが多い」海岸はないと考えたほうがよいです。
同じプラごみでも、マイクロプラスチックはまだまだありますので、そちらだったら、鎌倉市材木座海岸が多くあります。
安全面で考えると、雨だけでなく、強風と波浪、そして酷暑の場合は、屋外の活動条件が厳しくなるので、避けたほうがいいかもしれません。また、その海岸の津波発生時の避難経路も確認されたほうがいいと思います。
(美化財団回答)

19)こちらの配信はアーカイブに残していただくことはできますか?
20)アーカイブスは、組織内の研修につかうことができますか?
3)への回答と同じ。
写真の版権に加えて、JEANが現場での経験や独自調査などで積み上げてきたことや、これまでの活動で信頼関係を築いてきた業界団体や研究者などとの親交のなかで検証してきたことに基づいて作成しているオリジナルの資料です。JEANが海洋ごみについての啓発活動で使うための資料ですので、他の方の利用はできません。

21)私たちが海岸清掃ができるのも、かながわ美化財団さんが処分してくださるから。その拾われたゴミはどのように処分され、どのくらいの費用が、負担がかかっているのでしょうか?
神奈川県の年間の海岸清掃費は約2億4千万円になります。清掃費は、相模湾沿岸の13市町と神奈川県とで折半しています。
回収したごみの処理は、その海岸がある市町の処理施設に持ち込まれ、その処理費は各市町が負担しています。
(美化財団回答)

22)美化活動をされている方々の多くが、問題意識を持っている方だと思います。
美化活動に参加される方は既に捨てない対応をされている方です。汚染している方の多くが気づいていないと思います。ここに気付かせることが重要と感じます。
同感です。

23)漂着ごみ・海中ごみは全体割合としてそれぞれどうなっていますか?
回収されたごみのうち、漂着と海中の割合を問われているのか、海洋ごみ全体のうち、漂着と海中の割合についての質問なのかが判断できませんが…
海岸に漂着しているごみの全てが回収されているわけではありませんし、海中を浮遊、または海底に沈んでいる海中ごみは、ごく一部が回収されているだけです。
プラスチックの生産量や、陸域で処理された量などから推計して、これまでに環境中に排出されたと思われるごみの99%は海中にあるだろうと言われていますが、正確な数量はわかっていません。

24)中国が廃プラスチックを買い取らない「チャイナショック」についてお伺いします。自国で廃プラ問題を解決していかなくてはならなくなるという意味でよい契機になるという解釈しますがいかがでしょうか。
私もそう思います。自分たちが使ったものの後始末を他国にしてもらうのはおかしなことだと思います。

25)30年以上に渡る活動をされてる中で、心が折れるような状況がありましたか?そういうことをどのように乗り越えてきましたか?
当日回答済みですが、あらためて。
JEANは民間の非営利団体で、公的機関のような補助金もなく、ご寄付や助成金などで運営しています。近年でこそ海洋ごみに関心を持つ人が増えてきましたが、安定的な活動資金の確保が困難で、何度も存続の危機に見舞われています。
活動はJEANのスタッフだけで成り立つわけではなく、全国各地で海洋ごみ問題に向き合い、手間のかかるごみ調査に参加したり、清掃の結果を知らせてくださったりする仲間がいるからこその34年間です。

26)飲食店経営者でお弁当のテイクアウトを考えています。紙由来の弁当箱を採用することで海洋ごみの削減に貢献できますか?プラスチックは回収すれば再資源となりますが、BCで海岸に漂着していることも理解しています。
購入した方が紙に替える意味を知ることで、プラスチックごみの問題点を伝えることが出来ると思います。
弁当容器の素材がプラスチックでも紙でも、お弁当を買った人が空き容器を置き捨てたりすれば、ごみになることは同じです。
プラスチックの原料の石油も、紙の原料である木も限られた資源ですから、プラから木に替えればよいということではなく、紙を使うなら、植林して持続的に回収できるFSC認証のある木から作った製品を使うなどの配慮が大切だと思います。

27)生分解性プラスティックも使わるようになっているそうですが、分解されるまでは、やはり海洋生物に絡まったり、誤飲されたりするだろうし、分解途上の段階では「マイクロプラスティック」のようなものとも思えます。生物の体内に取り込まれた場合の影響などは、石油由来のプラスティックと比べてどうなのでしょうか?生分解性プラスチックは、土や海の中で分解できるものと、まったく分解できないものがあり、現在出回っているものの多くは分解できないタイプです。
生分解性プラスチックは 製品ごとの一定の条件のもとでのみ分解されます。従来品よりも(一定の条件下では)分解しやすいということは、破片化しやすいとも言えます。
ごみになって環境中にでたあとは、それがどこに移動するかもわかりませんので「一定の条件」に合致しない場合が多いと思われます。また、リサイクルの仕組みが整っている既存のプラスチックに、異なる材質の生分解性プラスチックが混入すると、リサイクルできなくなります。生分解性プラスチックは、過渡的な段階で、現状では海洋プラ汚染問題の救世主ではありません。
一部の漁具など、海に流出しやすいものの材料として、海洋生分解性のプラスチックは期待されていますが、現状では高コストで、まだ経済的に折り合う状況ではないそうです。

28)新潟県佐渡市で海洋ゴミを定期的に拾っており、勉強会や講演なども行っております。処分に関しては無償で出来るのですが、それ以外の予算がなく、寄付を募ったりしていますが、神奈川ではどれくらいの予算で実施されているか教えて頂きたいです。(行政からの予算が何割、寄付が何割、ボランティアが何人など教えて頂けると有り難いです。)
神奈川県の年間の海岸清掃費は約2億4千万円になります。清掃費は、相模湾沿岸の13市町と神奈川県とで折半しています。
回収したごみの処理は、その海岸がある市町の処理施設に持ち込まれ、その処理費は各市町が負担しています。
年間のビーチクリーンボランティアの人数は約16万人いて、美化財団は、ボランティアに対して、ごみ袋の提供とごみの回収を無償で支援しています。提供するごみ袋は全て企業からの協賛で賄っています。
また、こうしたボランティア支援や啓発事業など運用費は、年間約4000万円ほどですが、これらは会員からの会費や寄付金等で賄っています。
(美化財団回答)

29)毎月一度不登校の児童家族をお誘いして茅ヶ崎市のクリーニングを行っていますが、自分たちが使用していないタバコやペットボトル他産業廃棄物のようなものまでさまざまが多量に出ていて、これが現実と愕然とします。個人の行動変容を促すことは難しいのですが、今後も活動を続けていくつもりです。
本当に、なぜここにこんなものが!と驚いたり、嘆きたくなるような現実がたくさんありますね。あきらめずに続けていくしかなさそうです。

30)311をきっかけに海岸に近づかなかったのですが、昨年より清掃活動を通じて海岸に行くようになりました。しかし津波の危険性は拭いきれません。海洋ゴミ拾い活動普及において災害や事故を防ぐ啓蒙活動はあるか、また財団に関係する人間で海洋ゴミ拾い活動中に災害や事故に巻き込まれた等の報告は財団にあがっているか
すべてのビーチクリーンボランティアに対して、「津波発生時の手引き」を案内しています。
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami_bosai/img/leaflet_tsunami_bosai.pdf
活動中に災害や事故に巻き込まれた事例についてですが、熱中症等の事例は発生していますが、大きな事故等はございません。
(美化財団回答)

31)会社でもビーチクリーンに行っているのですが、神奈川はもう拾える場所では既にマイクロプロスチック以外拾うものがないのでは?という感じを受けました。
千葉に行って活動をと思ったのですが、自治体により海岸清掃時のごみを回収してくれなかったり、その自治体のごみ袋の提供がなかったりします。
神奈川のケースを他県に広めるには、どのようにしたらよいのかアイディアはありますか?
神奈川の海岸は、1)でお答えしたように、拾う人が多く、拾われずに残っているごみは少ないことを実感しています。
自治体によっては、個人的な清掃には対応してもらえず、自治体主催の大規模クリーンアップに参加するように、などと言われる場合もあります。
美化財団の仕組みは素晴らしく、他県からの視察や問い合わせも多いと伺っていますが他県で同じようなことが出来ない理由の一つには、運営資金の問題があると思います。
公的な予算の確保以外に、神奈川の海岸だからこそ企業がスポンサーとして支援しやすいのだと思います。
資金面の課題はありますが、仕組みとしては自治体の担当課と、その地域で活動している市民グループや個人が話しあったり、知恵を出し合ったりして、海洋ごみ問題を改善するために一緒にできることを考え、実行にむけて動いていくことはある程度はできると思います。

32)研究者への片寄、わかりますーーー
プラスチックの成分がわかるなどは良いのですが、もう、マイクロプラになってしまっては回収できない!それよりも、回収する、その前に出さないことに注力したいですよね。
調査や研究はとても大事ですが、研究でわかることと、現場の改善・解決は別なのでせっかくの研究結果が活かせるようになってほしいです。

33)タバコの吸い殻ゴミを撲滅するには何か良いアイデア等はありますか?小さいものですがとにかく多い。JTさんは自社製品の廃棄状況にどう思われているのか…
タバコの吸殻は、 国際海岸クリーンアップの調査結果でも、元の製品が特定できない破片/かけらを除くと、最も多く見つかるごみです。
だいぶ前に、JTや日本たばこ協会を訪ね、この問題に一緒に取り組んでほしいと訴えましたが、「年に一度、タバコ店の人達と一緒に街頭で吸殻拾いをやっている(ので、他の活動に参加するつもりはない)必要であれば、携帯吸殻入れを提供することができる」とのお返事でした。

34)海洋生物がマイクロプラスチックを含んでいるのは、内臓のみではなく、血管中や肉にも含まれるのでしょうか?母乳に含まれたということは、人間の血液中にも含まれる可能性があり、血管の太さによってはマイクロプラスチックで血管が詰まることもあるという事でしょうか?
海外の研究では、人の便や血液からマイクロプラスチックが見つかったとの報告があります。たいへん専門性が求められるご質問ですので、研究者ではない私がお答えできる内容ではありません。論文の検索をなさると、どのような研究が行なわれているかなどを知ることができると思います。

アーカイブ動画 講演2 「環境問題は「共創」の力で解決できる 〜mymizuが目指す持続可能な社会〜」講師:一般社団法人Social Innovation Japan 代表理事/mymizu 共同創設者 ルイスロビン敬氏
開催日時

2023年3月4日(土) 10:00~11:40

会場

Zoom(事前にZoomのインストールをお願いします)

タイムテーブル
09:50~ 開場:入室開始
10:00~10:05 オープニング
10:05~10:50 講演1「海で何が起きているのかー海洋ごみの現状と課題について」
講師:一般社団法人JEAN 理事 小島あずさ氏

JEANは30年以上にわたって海ごみ問題ひとすじに活動してきたNGOです。
長い間、ごみは拾えばなんとかなる美化問題と思われていましたが、深刻な環境問題であり、近年では経済問題でもあることが知られるようになりました。
海洋ごみ問題について、これまでの経緯を振り返りながら、現在の対策や課題についてお話します。
10:50~11:35 講演2「環境問題は「共創」の力で解決できる 〜mymizuが目指す持続可能な社会〜」
講師:一般社団法人Social Innovation Japan 代表理事/mymizu 共同創設者
ルイスロビン敬氏
– プラスチックゴミがもたらす海、生き物、私たちへの影響
– プラスチックとペットボトルに着目した理由
– mymizuの活動紹介:給水で世界を変える
– アクションへ
11:35~11:40 クロージング
※講演では、それぞれの時間内で、質疑応答の時間を設けております。ZOOMのQ&A機能を使用して、参加者の方から時間内で質問を募って、質疑応答の時間に回答いたします。質問の手順は、当日、説明いたします。
●講演1「海で何が起きているのかー海洋ごみの現状と課題について」について

○講師
小島あずさ氏 [一般社団法人JEAN 理事]

○講演内容
JEANは30年以上にわたって海ごみ問題ひとすじに活動してきたNGOです。
長い間、ごみは拾えばなんとかなる美化問題と思われていましたが、深刻な環境問題であり、近年では経済問題でもあることが知られるようになりました。
海洋ごみ問題について、これまでの経緯を振り返りながら、現在の対策や課題についてお話します。

[[wp-svg-icons icon=”link” wrap=”i”]http://www.jean.jp/]

●講演2「環境問題は「共創」の力で解決できる 〜mymizuが目指す持続可能な社会〜」について

○講師
ルイスロビン敬氏 [一般社団法人Social Innovation Japan 代表理事/mymizu 共同創設者]

○講演内容
– プラスチックゴミがもたらす海、生き物、私たちへの影響
– プラスチックとペットボトルに着目した理由
– mymizuの活動紹介:給水で世界を変える
– アクションへ

[[wp-svg-icons icon=”link” wrap=”i”]https://www.mymizu.co/]

参加方法
    • 参加無料。
    • 下記参加申込フォームよりお申込みください。
    • お申し込みをいただいた方には、開催日前日までに当日の入室URLをメールいたします。
      ※事務局からは、@bikazaidan.or.jpから送付いたします。
      ※お申し込みの際は、必ず受信設定を行ってください。
質疑応答について

各講演の時間内で、質疑応答の時間を設けております。

ZOOMのQ&A機能を使用して、参加者の方から時間内で質問を募って、質疑応答の時間に回答いたします。質問の手順は、当日、説明いたします。

チラシ

こちらよりダウンロードしてください。